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※次回発行は12月6日号(ネット新聞は5日アップ)です 血栓性外痔核について
Q 血栓性外痔核とは、どんな病気なのでしょうか。
A 外痔核と呼ばれる痔の中に、血の塊(血栓)が形成された病気です。
外痔核とは、直腸(粘膜)・肛門(皮膚)の境目の歯状線よりも肛門側に生じた痔のことで、その外痔核の中を流れる皮下静脈の中に血栓(血の塊)が生じた状態を血栓性外痔核と呼びます。外痔核ができる部分は皮膚組織なので、痛みを伴うことが多く、原因としては便秘や下痢、飲酒や刺激物の取り過ぎ、冷えやストレス、長時間の座位などで肛門に負担がかかった時…などが挙げられます。数時間から1時間の比較的短時間のうちに、肛門の周りの血管に血栓が形成され、その周りが腫れて痛みを生じます。肛門部の皮下に血栓が触れたり透見できることもあります。
軽いものでは数日のうちに腫れが治まり、痛みも軽くなりますが、血の塊が吸収されてなくなるにはかなりの長時間を要します。症状がひどいものでも、時間をかければ自然に治まっていく傾向がありますので、急性期に、腫れ・痛みを取るような薬を用いると早く楽になります。必要に応じて緩下剤などで排便をコントロールします。
血の塊が小指頭大以上のものや、痛みが強くあるいは増強して生活に支障を来す場合には、血栓除去などの手術(応急処置)を行いますが、これは局所麻酔下で比較的簡単に外来でできます。内痔核の嵌頓(かんとん)や、肛門周囲膿瘍(のうよう)などとの鑑別が必要です。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2021年12月10日号掲載)
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