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※次回発行は10月18日号(ネット新聞は17日アップ)です 下腹部の腫れ、もしかして「そけいヘルニア」?
Q:下腹の腫れに気が付きました。お腹に力を入れると大きくなります。「そけいヘルニア」になったのでしょうか。詳しく教えてください。
A:「そけいヘルニア(脱腸)」は、立った時や咳(せき)などでおなかに力が入ると腫れてくる特徴があります。不快感や痛みを感じますが、腫れは、指で押さえたり、横になると引っ込みます。自然に治ることはなく、腫れが急に硬くなり指で押さえても引っ込まなくなった場合は、緊急手術が必要です。嵌頓(かんとん)といって、出てきた腸などが、おなかの中に戻らなくなり、血流の悪化から壊死(えし)に至る可能性が高く、急いで手術をする必要があります。
Q:そけいヘルニアになりやすい人は?
A: 中高年の男性に多く見られますが、若い人や女性にも見られます。力仕事・立ち仕事・咳をよくする人・喫煙者・便秘症・前立腺肥大症・肥満・喘息(ぜんそく)・慢性肺疾患などの人に発症しやすい病気です。そけいヘルニアは自然には治りません。また、薬やヘルニアバンドでも治せません。腹筋を鍛えて治そうとする人もいますが、下腹部に大きな力がかかるため逆効果です。
治療は、手術が唯一の方法で、日帰り手術もできます。放置すると緊急手術が必要になることがあり、その場合は、入院の上、救命のために腸を切除する事態に陥ることもあります。下腹部の腫れに気が付いたら、速やかに専門医の診察を受けるようにしましょう。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2018年5月12日号掲載)
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