土屋先生の噛めるはな歯（し）　vol.287

今回はむせることと、誤嚥（ごえん）の関係について、伺います。

　
Ａ　誤嚥とは、通常食道にいくべき食べ物や液体が誤って気管に入ってしまうことだとお話ししました。気管にとっては異物であるものを外に出そうと、体が反応し、むせとなって現れます。むせている間は非常に苦しいものですが、この「むせる」という防御反応が現れない方が、よっぽど怖いのです。
　睡眠時の唾液の誤嚥や、飲み込む機能の低下による「むせない誤嚥」もあります。こういった場合、本人でさえ自覚がありません。このように本人も気付かぬまま誤嚥してしまうことを、「不顕性誤嚥」と呼んでいます。
　むせるのは、「誤嚥しているのに、むせない」よりは良いのですが、本当は、誤嚥なくむせないことが一番です。そのためには、お口の機能を維持・向上する「嚥下体操」を行うことが重要です。
　次回から、嚥下体操についてお話しします。
　

　

　
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※このコラムは、私たちの大切な歯について、土屋歯科医院理事長・土屋浩昭先生に伺っています。毎月2回掲載。（「リビングふくやま」2020年12月11日号掲載）