傷を潤して治す「湿潤療法」総集編
皮膚に傷跡を残さないよう、乾かさずに潤して治す「湿潤療法」の総集編(最終回)です。
【1】どんな傷に?
すり傷・切り傷・やけどなど、皮膚の一部がなくなってしまった状態の傷に使います
【2】消毒は必要?
傷を消毒する必要はなく、水道水でしっかりきれいに洗い流した後、湿潤療法を行います。石や砂や死んだ皮膚などの異物を、できるだけ取り除くことが大切です
【3】最初に貼るものは?
けがの直後は、ハイドロコロイド(ピタッと張り付く少し厚みのあるベージュ色の貼り薬)はあまり用いず、最初はある程度水分を吸収し、かつ逃がしてやることができるものを使います。傷が落ち着いた後や、やけどのような汚れのない傷であればハイドロコロイドを使っても結構です
【4】処置材は毎日交換?
毎日が望ましいですが、液が極端に多い時はもっと頻回に、かなり量が減れば2日に1回でも結構です。交換時は傷を水できれいに洗います
【5】お風呂は?
何も貼らない状態で入浴しても構いませんが、傷のつかったお湯が口に入らないよう注意を。シャワーは全く問題ありません
【6】終わりは?
傷から液体が出ず、表面が少し光沢を持った薄い皮膚に覆われれば終了です。直後はシミになりやすいので紫外線に注意します
傷ができたら、まず乾かないよう注意を払い、早く・きれいに傷を治しましょう。困ったときは、湿潤療法に詳しい医師にご相談ください。
【この記事の問い合わせ】
青葉台クリニック 福山市青葉台1-10-20
TEL:084(947)6565
※このコラムは、青葉台クリニック 院長・金子克彦先生
に伺っています。
(「リビングふくやま」2012年4月21日号掲載)